八重山の方言  与那国島

■与那国の方言
与那国では「えー」や「おー」の母音はなく、長音の母音もそのまま「い」と「う」となり、ヤ行がダ行に変化する。
与那国方言は、原則として長短の区別のない/a,i,u/の3母音が中心となる特異な音声で発音する。
「破裂音」と呼ばれるものもある。これには有気音と無気音があり、語頭における無気音は二音が融合してできた。これは与那国独特のもので、「舌」や「蓋(ふた)」を与那国では「た」の語頭が詰まった発音(便宜上「った」と表記する)となる。
「舌」は「し」と「た」が融合することによって「った」となり、「蓋」も同様に「ふ」と「た」が融合することで「った」という発音となる。
「舌」や「蓋」もまったく同じ「った」なので、前後の言葉から「舌」なのか「蓋」なのか判断するしかない。「ん」とか「っ」とかで始まる単語は他の地域に例がないので余計に与那国語を難解にしている。

カディ(風)
ティダ(ン)(太陽)
ドゥナン(渡難)
ウヤ(親または年寄り/年長者)
ウヤン(親または年寄りたち
ティバリヌ(ティ/吹く・バリヌ/荒れる)
ウムッツア(面白い)
フリムヌン(フリムヌ/愚か者たち
フリムヌ・ミンブルブッタ(馬鹿:頭が悪い)
ンディ(言う)
ブル・ワルン(ブル/居る・ワルン/居られる:丁寧語)
ウンナガ(ウン/海・ナガ/中)
スー(魂)
ンティス(満潮)
チース(干潮)
アイ(合わせる)
ドゥ(櫓)
ンサン(良い)
バラサン(悪い)
ンカチィ(昔)
バチンナヨ(バチ/忘れ・ンナヨ/るなよ)


アガミ(幼児)
ティ(小さな・可愛い)
 ※アガミティ(可愛い幼児)
トゥーチ(1)
ターチ(2)
ミーチ(3)
ドゥーチ(4)
イチチ(5)
ムーチ(6)
ナナチ(7)
ダーチ(8)
クグンチ(9)


■与那国の文字
与那国には「カイダー字」という与那国独特の象形文字もあり、琉球王府が反乱を起こさないようにと、与那国島では文字を普及させないようにしたのでカイダー字が出来たという説もあるし、漢字が読めない住民が編み出したという説もある。
   カイダー字
左:国立民族学博物館(大阪府吹田市)所蔵の木札
明治時代に琉球王府が石垣島の住民に対して納税を命じた通知書
▲をクリックすると与那国方言の「風のどなん」が聴けます
職場で見ている人は音が出るので要注意(*^_^*)

風のどなん
  作詞:はくどう 唄:西泊茂昌

 
カディン ンマリ  カディ   ティバリヌ−  ティダヌ チィマ− ドゥナン
 風 が 生まれ 風(が)吹き荒れる 太陽の  島   どなん

 
ウヤンタ  ガンディ ワ ル ン ンカチィ クゥトゥバ  ウムッツァ
 年寄りが 言っておられる 昔    話(は) 面白く

 ミヌンディ
 ないと

 
ンディブル   イミ  ミヌン  フリムヌンタ   ウヤヌイィクゥトゥバ  ヤ−
 言っている  夢  なき 愚か者たちよ 先達の言う言葉 は
 (愚痴っている)

 ウヤヌクゥトゥバ ヤ   カンヌ   クゥトゥバ    バチンナヨ−
 先達の言葉  は 神 の  言 葉(だ)  忘れるなよ

 愚か者が住む 夢なき国へ 疾れ疾れ どなん風
 愚か者を 吹き飛ばせ

 カディン ンマリ  カディ   ティバリヌ−  ティダヌ チィマ− ドゥナン
 風 が 生まれ 風(が)吹き荒れる 太陽の  島   どなん

 
ナイヌ ドゥ  ガ−  バラサンディ  ジダイヌ  バラサンディ
 今の 世  が   悪 い と   時代が 悪 い と

 
ンディブル  イミ  ミヌン  シ カ バ ン タ   ウンナガヌン ス−ガント
 言っている夢  なき 臆病者たち(よ) 海人 の 魂を見ろ
 (愚痴っている)

 ンティスン   チ−スン   ア  ィ  ド  ゥ  スンド     バチンナヨ−
 満潮 も   干潮も   櫓を合わせて 来たぞ   忘れるなよ


 臆病者が住む 軟弱な国へ 疾れ疾れ どなん風
 軟弱者を 吹き飛ばせ


 ウンナガヌン スーガントゥ ンティスン  チ−ス ン  アィ ド ゥ
 海人 の   魂を見ろ  満潮も  干潮 も 櫓を合わせて
 スンド
 来たぞ


 ンサドゥ  バラサン  ア ィ ド ゥ     ス ン ド  バチンナヨー
 良くても 悪くても 
櫓を合わせて 来たぞ   忘れるなよ